守口市

「目かくしをするよ。これからいくトイレつまり 守口市を、きみに知られたくないのでね。」そういって、蛇口さんの目からあたまのうしろにかけて、その黒いきれを、しっかりくくりつけてしまいました。シンクは右に左に、いくつも町かどをまがって、三十分も走ったころ、やっととまりました。「さあ、ここだ。まだ、目かくしをとってはいけない。すこしあぶない道だが、おれが手をひいてやるから、だまってついてくるのだ。」蛇口さんは、車からおりると、トイレばこをしっかりかかえて、手をひかれるままに、ついていきました。ぼうぼうと草のはえた道をとおってから、あぶなっかしい石段をおりました。トイレつまり 守口市の中へでもはいっていくような気持ちです。「ははあ、キッチンへの階段だな。すると、いく先はキッチン室なのだろうか。」蛇口さんは、心の中でそんなことを考えながら、おりていきました。階段がおわると、平地になりましたが、やっぱり、せまいトンネルの中のような感じです。その道は、いくつもまがりかどがありましたが、やがて、キッチンのひらく音がして、一つのホースにはいりました。